2025年に楽天Koboで読んだ本の紹介記事です。ネタバレはありませんので、安心してお読み頂けます。
また、本人の備忘録?的な意味合いの記事になりそうです。

外出先でのスキマ時間にスマートフォンのKoboアプリで、休日の自宅時には愛用の楽天Koboリーダーで読書をしています。
私に取って、電子書籍はなくてはならない媒体となりました。


ミステリ系が好きなので、必然的にその分野の紹介が多くなるかなと思いますが、
実際のところ、分野に特定した読み方はしておらず、「おもしろそう?」で手にした本を読んでいます。




※この記事で紹介されるものは全て電子書籍版で、リンク先の書籍も電子書籍です。
紙媒体をお求めの方はお気をつけ下さい。

ブラッド・スクーパ The blood Scooper 森博嗣

2022年1月1日発行
森博嗣ボイド・シェイバシリーズ第2巻

S&MシリーズやVシリーズ等、ミステリ作家として名高い森博嗣の空想時代劇「ボイド・シェイパ」シリーズの第2作目。

ミステリとは関係ない本シリーズですが、この作品では少しだけ謎解きあり?

山奥で偉人である「カシュー」に育てられた出自不明の主人公「ゼン」、カシュー亡き後の彼の旅は続きます。

本作ではカシュー縁の地を訪れたゼン、「竹の石」と呼ばれる竹から生まれた謎の石を巡る騒動に巻き込まれます。

「竹の石」の正体とは?

未だ世間知らずではあるものの、ゼンの侍として、そして、人間としての成長が時に哲学的に、また自然的に描写されます。

価値があるものと周りに見せかけ、皆を騙し続けること、それが人の生き方そのもののようにも見える

ブラッド・スクーパ

つばさよつばさ 浅田次郎

JAL機内誌【SKYWARD】で掲載:2002〜2006年
浅田次郎の旅エッセイ集
全6冊の第一弾

帰任時のフライト(北米から日本)、何かの縁か、
久しぶりに乗れたJAL機内で読破、長旅のお供になりました。

ユーモアと異文化描写、そしてココロ温まる旅の一コマは非常に楽しく、また、心温まるものでした。

浅田次郎は若い頃「プリズンホテル」を読んだ記憶あり、そのユーモア感は気持ちが良いです。

「プリズンホテル」再読しようかなと。

****

かくて私は一年の三分の一を、羇旅の空にすごしていることになる

原稿用紙7枚の旅エッセイはテンポよく、そして、ユーモアをもって綴られます。

【キャビアは怖い】
著者の失敗談が後悔と共にユーモラスに語られます。

殊の外、海外では予想もしないことが多々発生するものです。
その失敗談も終わってしまえば笑い話として記憶に残ります。


【とっておきの料理】
旅をコンセプトにしたエッセイ集であるから、そろそろ食い物についてかかねばなるまい、と思った

エッセイ集も中盤に差し掛かろうという中での食事ネタです。

”うまいものよりまずいもののほうが、懐かしく思い出される”

海外では意に沿わないモノに遭遇します。
完璧だけではない、それが記憶に残って、思い出になります。

【星を狩る少年】
チュニジアとモロッコの旅です。
作者が言うところのガイド「無敵のナジャ」のお話です。

ガイドであるナジャのトラブル回避能力、そして彼のマインドはある名言と共に感動を与えます。

他40のお話が掲載され、どれもテンポ良く読み進めることが出来る作品です。

七回死んだ男 西澤保彦

初版:1995年10月
タイムリープ・リヴァイバル SF推理小説

SFとはいえ、推理部は本格的、少々頭が混乱させられました。
そして、最後の最後でドンデン返し、「ソウきましたか!!」
読み返したくなる作品でした。

****

主人公(久太郎/愛称キュータロー)は或る特殊体質の持ち主です。
この特殊体質はランダムで発生、同じ日を9回繰り返してしまう、というものです。
この体質から起こる現象を、本人、「反復落とし穴」と命名しています。

新年、親族の集まりでまさかの殺人事件?
キュータローの祖父が死にました。

そして、「反復落とし穴」の発動。

犯人は親族なのか?
繰り返される殺人と祖父の死を反復する日々の中で、見つめ直し、食い止めるべく、キュータローは思考を巡らします。

祖父の死の真相に辿り着いた先、すべての疑問が解かされます。

プラスティック 井上夢人

2024年本屋大賞 発掘部門作品。

「嗚呼、あなたも?」
謎が謎を呼ぶ展開でのめり込める作品でした。

久しぶりに一気読みしてしまいました。
面白かったです。

※※※※

事件の鍵となる主婦「向井荀子」のワープロ練習を目的とした日記、この日記が保存されたフロッピーを手にする事になった無名の作家が事件の究明に動きます。

発生した惨殺事件。

無名作家の日記を元にした調査によって、被害者や容疑者とその周辺人物達、そして彼らの謎多き過去が浮上します。

また、彼ら登場人物たちが主観となる章では事件がよりリアルに語られることになります。

物語中・後半から告白される内容によって、これまでの伏線回収がなされ、終盤に入ります。

そして、物語はプラスティック(可塑性)をもって収束に向かい幕を閉じようとします・・・。